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うつ病で障害年金3級は認定される?認定基準と実例を社労士が解説

この記事で分かること

  • うつ病で障害年金3級の対象となる制度上の条件
  • 3級の認定で確認される症状、就労状況、日常生活の状態
  • 働きながら障害厚生年金3級が認定された実在事例
  • 診断書と病歴・就労状況等申立書を準備するときの注意点

この記事の結論

うつ病でも障害厚生年金3級に認定される可能性はあります。ただし、3級があるのは障害厚生年金だけです。原則として、うつ病の初診日に厚生年金へ加入していたことに加え、保険料納付要件と障害状態の要件を満たす必要があります。

病名や「働いているかどうか」だけで等級が決まるわけではありません。症状の経過、仕事の内容、勤務上の配慮、欠勤・休職、家族の援助、日常生活の困難さなどが総合的に確認されます。

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うつ病で障害年金3級を受けるには障害厚生年金が前提です

障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金があり、3級が設けられているのは障害厚生年金です。初診日が国民年金加入中または20歳前にある場合は、原則として障害基礎年金の1級・2級が審査対象となり、3級はありません。

障害厚生年金3級を検討する場合、主に次の3要件を確認します。

  • 初診日要件:うつ病の原因となった症状で初めて医師の診療を受けた日に、厚生年金へ加入していたこと
  • 保険料納付要件:初診日の前日時点で、法令上の納付要件を満たしていること
  • 障害状態要件:障害認定日またはその後に、3級以上に相当する状態であること

日本年金機構は、障害厚生年金3級を「労働が著しい制限を受ける、または労働に著しい制限を加える必要がある状態」と説明しています。制度の要件は日本年金機構の障害厚生年金の受給要件でも確認できます。

うつ病の障害厚生年金3級における認定基準

うつ病は、障害認定基準上の「気分(感情)障害」として審査されます。3級の例示は、気分、意欲・行動、思考の障害が現れる時期があり、病状が著しいとまではいえなくても、持続または反復して労働が制限される状態です。

審査は一つの症状だけで決まりません。日本年金機構の「精神の障害」認定基準では、原因、症状、治療、病状の経過、具体的な日常生活状況などを総合的に認定するとされています。

就労状況で確認されること

  • 一般雇用、障害者雇用、短時間勤務などの雇用形態
  • 担当業務の内容と責任の程度
  • 遅刻、早退、欠勤、休職、復職を繰り返していないか
  • 業務量の軽減、配置転換、休憩、通院などの配慮
  • 上司や同僚から受けている援助
  • 帰宅後や休日に家事・身の回りのことができるか

働いている事実だけで直ちに不該当になるわけではありません。認定基準でも、仕事の種類・内容、職場の援助、他の従業員との意思疎通などを確認して判断するとされています。

日常生活で確認されること

食事の準備、清潔保持、金銭管理、通院・服薬、対人関係、安全確保、社会的手続きなどを、家族の援助がない状態でどこまで行えるかが重要です。「できる日がある」だけでなく、一定期間を通した頻度や安定性を整理します。

診断書と申立書で実態を一致させることが重要です

精神の障害用診断書では、症状、治療歴、日常生活能力、就労状況、援助や配慮などが確認されます。診察室で伝えきれていない生活上の困難があると、診断書と実態に差が生じることがあります。

医師に等級の記載を依頼するのではなく、家族に促されて行っていること、勤務後に動けなくなること、欠勤頻度、職場の配慮などを具体的に共有することが大切です。病歴・就労状況等申立書も、診断書や職歴と矛盾しないよう時系列で整理します。

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うつ病で障害厚生年金3級に認定された実例

以下は、愛知障害年金相談センターが公開している実在事例です。個別事情により結果は異なるため、同じ診断名や働き方で同じ等級になるとは限りません。

休職を繰り返していた50代会社員の事例

うつ病で障害厚生年金3級を受給できた事例では、不眠から通院を始め、意欲低下や抑うつ気分により休職を繰り返していました。復職予定がある中でも、症状が一進一退であることを踏まえて書類取得・作成を進め、3級が決定しています。

障害者雇用で働いていた50代会社員の事例

うつ病で働きながら障害厚生年金3級を受給できた事例では、障害者雇用で再就職していましたが、就労後の疲労が強く、日常生活全般で家族の援助が必要でした。初診時のカルテが残っていない課題には第三者証明を用い、3級が決定しています。

2件から分かるのは、復職予定や就労中という一面だけでは判断されないことです。治療経過、休職歴、勤務上の制限、家族の援助などを個別に整理する必要があります。

うつ病で障害年金3級を申請する前の確認事項

  • 初診日と、その時点の年金加入制度を確認する
  • 保険料納付要件を年金事務所などで確認する
  • 通院歴、休職歴、転職歴を時系列にする
  • 職場の配慮や援助を具体的に整理する
  • 家族が担っている家事や手続きを書き出す
  • 診断書と申立書の内容に矛盾がないか確認する

2026年度の障害厚生年金3級は報酬比例の年金額で計算され、昭和31年4月2日以後生まれの方の最低保障額は年635,500円です。過去の受給事例に記載された金額は決定当時のものであり、現在の最低保障額とは異なる場合があります。

うつ病の障害年金3級に関するよくある質問

うつ病と診断されれば3級になりますか?

いいえ、診断名だけでは決まりません。初診日に厚生年金へ加入していたか、保険料納付要件を満たすかに加え、症状の経過、労働上の制限、日常生活、治療状況などが総合的に審査されます。

初診日が国民年金加入中でも3級を申請できますか?

原則としてできません。初診日が国民年金加入中や20歳前にある場合、対象は障害基礎年金の1級・2級で、3級はありません。途中から会社員になっても、原則として初診日の加入制度を基準に判断します。

フルタイムで働いていると3級は認定されませんか?

フルタイム勤務だけを理由に直ちに対象外になるわけではありません。ただし、安定して通常業務を行えている場合は、労働制限が軽いと判断される可能性があります。欠勤、業務軽減、援助、帰宅後の状態まで具体的に確認されます。

障害者雇用なら3級に認定されやすいですか?

障害者雇用という名称だけで等級は決まりません。短時間勤務、業務量の軽減、頻繁な休憩、上司の見守りなど、どのような配慮がなければ働けないのかを具体的に示すことが重要です。

一人暮らしだと障害年金3級は難しいですか?

一人暮らしだけで不利と決まるわけではありません。食事が不規則、清潔保持が難しい、家族が訪問して家事や金銭管理をしているなど、実際の生活状況と援助の内容を診断書・申立書へ正確に反映させます。

診断書に3級と書いてもらう必要がありますか?

医師が等級を決定するものではありません。診断書には症状、日常生活能力、就労状況などを医学的に記載してもらい、日本年金機構が他の提出書類と合わせて等級を認定します。生活実態を具体的に医師へ伝えることが大切です。

障害厚生年金3級はいくら受給できますか?

報酬比例で計算されるため、加入期間や過去の報酬により異なります。2026年度は、昭和31年4月2日以後生まれの方の最低保障額が年635,500円です。個別の見込額は年金事務所などで確認してください。

愛知県でうつ病の障害年金3級を検討している方へ

うつ病の状態は外から見えにくく、診察時の短い会話だけでは、休職・復職の反復や家庭で受けている援助が十分に伝わらないことがあります。愛知障害年金相談センターは、名古屋市中区栄にあり、初診日や就労状況の整理から申請をサポートしています。

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執筆者情報
執筆者画像
久保社会保険労務士事務所 社会保険労務士 久保 将之
保有資格 社会保険労務士・簿記2級
一言 障害年金は制度自体が複雑で分かりにくいというところから、請求者が多大な苦労をしてしまうということがあります。 私は障害年金の専門家として、各傷病ごとの診断書の記載内容のポイント、効果的な申立書の作成をサポートします。
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